シュートが入る子は狙うコースが決まっている?小学生への伝え方
掲示板「本日のお悩み」で、こんなお題を投げかけました。
「シュートが入る子は“狙うコース”が最初から決まっている?」
お題では「ミスシュート、何を評価してる?」「小学生で“狙う”指導は早い?」という2つの問いと、「入った・外れたより、『決めて打ったか』を大切にしたい」という運営の思いを添えました。
今回の議論では、利用者さんからの返信はまだありませんでした。そこでこの記事では、運営のコメントを手がかりに、編集部の視点で論点を整理します。ここから先は経験則や一般的な考え方で、統計や研究にもとづく話ではありません。ご自身のチームに合うかを考えながら読んでみてください。
よくある場面:「とりあえず蹴った」と「決めて打った」
試合でシュートが外れたあと、ベンチや保護者席からつい「ちゃんと狙って!」という声が出ることがあります。でも、本人は狙っているつもりだった、ということも多いものです。
一方で、シュートがよく入る子を見ていると、ボールを受ける前から顔を上げてゴールとキーパーを確認していたり、打つ前の動きに迷いが少なかったりするように見えます。「コースが最初から決まっている」というより、「打つ前に決める習慣がある」 のではないか、というのが今回の仮説です。
結論を先に書くと、次のように考えています。
- 小学生でも「狙う」指導は早すぎることはない。ただし、難しい精度を求めるのではなく、「打つ前に決める」ことを求めるのがポイント
- 評価するのは、入ったかどうかだけでなく「決めて打てたか」
- 決める材料(キーパーの位置、角度、自分の得意な足)を知る練習が土台になる
運営の見方:小さいうちは感覚的な部分が大きい
議論のなかで運営からは「特に小さいうちは感覚的な部分が多いかもしれませんね」というコメントがありました。
低学年のうちは、ボールを蹴る感覚そのものを育てている段階です。足のどこに当てるか、どれくらいの力で蹴るか、といった体の使い方が安定していないと、「ここを狙う」と思っても体がついてきません。ですから、この時期に「右隅に決めなさい」と細かく求めても、うまくいかないのは自然なことです。
ただし、感覚的だからこそ、「どこに打つか」を一言で言えるようにする習慣は早くから作れます。精度は後からついてきますが、「決めてから打つ」という順番は、小さいうちに身につけたほうが楽だと考えられます。
「コースが決まっている」とはどういう状態か
ここでいう「決まっている」は、打つ瞬間に考え込むということではありません。おそらく次のような流れです。

- ボールが来る前に見る:キーパーの位置、ゴールの空き、味方や相手の位置
- ボールを受けるときに、打てる位置へ置く:自分の足で打ちやすい場所に止める
- 打つ瞬間は迷わない:決めたコースへ、振り切る
つまり、狙いの精度よりも、打つ前の準備と迷いのなさが大切です。止める技術や視野の話とも深くつながっています。関連して、「止める」ができる子はなぜ重宝されるのか?や、視野が狭い子はどうすればいい?もあわせて読んでみてください。
ミスシュートの何を評価する? 3つの見方
「入った・外れた」だけだと、運の要素も大きく、子どもも何を直せばいいか分かりません。そこで、次の3つを見てあげるのがおすすめです。
① 打つ前に決めていたか
本人に「どこを狙った?」と聞いて、答えられるかどうかを見ます。答えが返ってくれば、結果が外れても「決めて打てた」と評価できます。
② 狙いと結果のズレ
「右を狙ったのに、真ん中に行った」のなら、課題はコースの選び方ではなく、蹴り方(足の当て方、体の向き)です。原因を分けて考えると、練習の方向がはっきりします。
③ 振り切れたか
外すのが怖くて、コースを狙いすぎて弱くなる子もいます。思い切り振れたかも大事な見どころです。コースとパワーのバランスは、シュートはコースかパワーか?の記事でも扱っています。
練習メニュー:「宣言シュート」
目的:打つ前にコースを決める習慣をつける

- 人数:2〜6人(キーパー役1人+シューター)
- 用具:ゴール(ミニゴールでも可)、ボール数個、コーン4つ
- 時間:10〜15分
- やり方 1. ゴールを左・中央・右の3つに分けるイメージで、コーンで目印を置く(足りなければ、左右のポスト近くにコーンを置くだけでも十分です) 2. シューターはボールを持つ前に、「右!」「左!」と声に出して宣言する 3. 宣言したコースへ打つ。止まったボールから始めて、慣れたら転がしたボールをトラップして打つ 4. 打ったあと、「宣言したところに行ったか」を自分で確認する
- ポイント
- 評価は「入ったか」ではなく「宣言どおりに打てたか」
- 最初はキーパーなしでOK。慣れたらキーパーを立たせ、「キーパーが寄っている反対側」を選ぶ練習に発展させる
- 低学年は「右か左か」の2択から始める
発展:「見てから決める」バージョン
- キーパー役が打つ直前に立ち位置を左右どちらかにずらす
- シューターは、ボールを受ける前にキーパーの位置を確認し、空いている側へ打つ
- 「見る→決める→打つ」の順番を体に覚えさせます
保護者・指導者の声かけ例
結果だけを見ると、つい「なんで入らないの」「ちゃんと狙って」という言葉になりがちです。次のような声かけに変えてみてはいかがでしょうか。

- 「どこを狙ってたの?」(責めずに、純粋な質問として)
- 「決めて打ててたね。次は少しだけ、足の向きを意識してみよう」
- 「外れたけど、思い切り振れていたのがよかったよ」
- 「打つ前にキーパーを見られてたね」
避けたい言い方は次のようなものです。
- 「なんで右に打たないの?」(正解を押しつけてしまう)
- 「外すなよ」(外すのが怖くなり、狙いも振りも小さくなってしまう)
声かけ全般については、「子どもへの声かけ」ってどうしてる?も参考になります。
【運営者の体験談:「狙う」指導をした/されたときのこと】
(ここに、ご自身の現場や、お子さんのシュート場面でのエピソードを書き足してください)
小学生で「狙う」指導は早い? 編集部の考え
「狙う」という言葉を、「ここにピタッと決める」という高い精度の意味で使うと、小学生には難しい場面が多いでしょう。一方で、「打つ前に、どこに打つか決める」 という意味なら、低学年からでも取り入れられると考えます。
大切なのは、段階を分けることです。
- 低学年:右か左か、空いているほうを見る。結果にはこだわらない
- 中学年:キーパーの位置を見て選ぶ。足の当て方も少しずつ意識する
- 高学年:状況に応じてコースを使い分ける。強さと精度のバランスを考える
もちろん、成長のペースは一人ひとり違います。うまくいかないときは、コースの問題か、蹴り方の問題か、焦りの問題かを切り分けて見てあげてください。蹴り方の土台づくりには強いシュートを打つコツも役立ちます。
まとめ
- シュートが入る子は「コースが生まれつき決まっている」のではなく、打つ前に決める習慣があるのではないか
- 小学生にも「狙う」指導は取り入れられる。ただし精度ではなく「決めて打ったか」を評価する
- 「宣言シュート」で、見る→決める→打つの順番を体に覚えさせる
- 声かけは「どこを狙った?」と聞くことから始める
入った・外れたの先にある、「自分で決めて打つ」という姿勢を、ゆっくり育てていきたいですね。
みなさんのチームでは、ミスシュートの何を評価していますか? 小学生に「狙う」指導をするのは早いと思いますか? 保護者・指導者それぞれの立場から、ぜひ教えてください。
この議論はこちら → シュートが入る子は“狙うコース”が最初から決まっている?


