少年サッカーで育てたい「個」より「チーム」の感覚
「一人で突っ込む」その先に、何を伝えるか
少年サッカーでは、ボールを持つとすぐにゴールへ向かって突進する子、ドリブルばかりで周囲が見えなくなる子をよく見かけます。
もちろん、それも“やる気”の表れですが、そこから「チームで戦う」意識へとどう導くかが、指導の大きなテーマになります。
実際の声:「みんなで強くなったほうが、早く強くなれるよ」
ある保護者の方は、子どもにこんな言葉をかけていると話してくれました。
「一人で上手くなるより、みんなで強くなったほうが近道だよ」
このシンプルな一言が、チームスポーツの本質を捉えています。
- 味方と連携して動く
- お互いの長所を引き出し合う
- 一人ではできないことをチームで成し遂げる
こうした体験が、「サッカー=仲間とつくるもの」という感覚を育てていくのです。
ポジションの意味を教える=チームの中の自分を知る
この保護者はさらにこう続けました。
「自分のポジションの役割を果たすことが、自然とチームプレーにつながっていきます」
たとえば、
- DF(ディフェンダー)=守ることに集中する
- MF(ミッドフィルダー)=ボールをつなぐ、支える
- FW(フォワード)=得点だけでなく、前線から守備をする
このように、それぞれの役割を言葉で明確に伝えることが、子どもたちの責任感と判断力を伸ばす土台になります。
チームプレーは「指示」より「気づき」から生まれる
本当の意味でのチームプレーは、コーチの指示通りに動くことではありません。
子どもたち自身が考え、感じ、判断できるようになること。
そのためには、試合や練習の中で、小さな成功体験を積むことが必要です。
- 仲間にパスしたらゴールにつながった
- 自分が走ってスペースを空けたら味方が活きた
- 声をかけたらミスを防げた
こうした“実感”が、「自分の行動がチームを良くするんだ」という気づきにつながります。
指導のカギは、「言葉」と「コンセプト」
✅ チームプレーを育てる2つの軸
- 「みんなで強くなろう」
→ 個の成長より、一緒に強くなる価値を伝える - 「自分の役割を果たそう」
→ ポジションごとの役割を明確にし、自分のプレーがチームにどう影響するかを意識させる
この2つのコンセプトを繰り返し伝えることで、子どもたちの中に「チーム感覚」が根づいていきます。
まとめ:勝ち負けより、「仲間とプレーする喜び」を
少年サッカーだからこそ、「目立つこと」「勝つこと」だけに目を向けるのではなく、仲間と一緒にプレーする楽しさや充実感を育てることが大切です。
- 一緒に喜ぶ
- 一緒に悔しがる
- 一緒に考える
こうした積み重ねが、子どもたちにとっての「チーム」という言葉の意味を深めてくれるはずです。
そしてそれが、勝負の場面でも本当に“強いチーム”をつくる力になるのです。