少年サッカーの現場では、試合中によく「もっと寄せろ!」という声が飛び交います。
実はこの言葉、言われた子どもにとっては 「どうしていいか分からない」 ことが多いのです。
私自身、Jクラブの下部組織出身で、今は小学生の子どもを持つ保護者でもあります。親として、またコーチ的立場として、寄せの指導に悩んだことは何度もありました。

この記事では、寄せが甘くなる原因と、それをどう改善していくかについて、私自身の体験をもとに具体的な方法を紹介します。
寄せが甘い理由:子どもに足りないのは「理解」と「経験」🦾🧠
寄せが甘いとされる子には、よく次のような特徴が見られます:
- 相手との距離感が分からない
- タイミングをつかめていない
- ぶつかるのが怖い
- 寄せる意味をそもそも理解していない
つまり「気合いが足りない」のではなく、寄せるという守備の意味やタイミングがわかっていないだけなのです。
解決策①:「場数」が守備感覚を育てる🦾
私の息子も、守備に対して受け身だった時期がありました。でもある日、チームのコーチから「タイミングを盗む感覚」を教わったことで、意識が一変したんです。
実戦の中で、
- 相手のトラップが大きい時
- 視線が落ちた瞬間
- ボールから目を離したタイミング
など、「奪いやすい瞬間」を見極める練習を何度も繰り返しました。
このような 「駆け引き」 を体験的に覚えるには、とにかく **対人練習と試合経験(=場数)**が必要です。

解決策②:「いつ詰めるか」ヒントを与える💡
「もっと寄せろ!」という抽象的な指示では、子どもは動けません。
次のように、具体的なタイミングを言語化して伝えることが効果的です:
状況 | 指導例 |
---|---|
相手がトラップした瞬間 | 「今だ、ボールが足から離れた!」 |
視線を落としたとき | 「いまだ!相手は君が見えてないぞ!」 |
サイドラインに追い込めるとき | 「外に誘導して、ラインで詰めよう」 |
解決策③:恐怖心を取り除く「声かけ」が上達の鍵📣
多くの子どもが寄せをためらう背景には、**「失敗への恐怖」**があります。
- 抜かれたらどうしよう
- ファウルになったら怒られる
- コーチや保護者が怖い
だからこそ大事なのは、寄せた“行動”を評価することです。
「ナイスチャレンジ!」
「今のタイミング良かったよ!」
こうした声かけが、子どもに自信を与えます。実際に息子も、「次もチャレンジしてみようかな」と、徐々に寄せることへの抵抗感が減っていきました。

まとめ:「寄せ」の改善は、“経験”と“理解”がカギ🦾🧠
- 寄せが甘いのは“根性”の問題ではない
- 実戦の中で「狙いどころ」を体感させる
- 声かけで恐怖心を取り除く
こうした環境と指導がそろうことで、子どもたちは少しずつ「守備で主導権を握る楽しさ」に気づいていきます。
**「寄せること=怖くない」**という感覚を身につけさせる。それが、守備が変わる第一歩です。
